ミャンマーの空港で職員とグータッチ

      2019/10/19


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空港職員と言えば固い職業。出入国審査官となれば日夜、外国から不法な外国人が入っていないかを徹底的に調べるお仕事だ。それがミャンマーとなればどうだろう。
数年前まで軍事政権のミャンマー。軍事政権下では「アウンサンスーチー」という言葉を発する事もできなった。それは観光客も一緒。特に外国人には当局が厳しく監視されており、ジャーナリストには徹底マークするほどだった。日本人ジャーナリスト「長井健司さん」が軍事政権に殺されたのは有名な話。
空港職員は軍事政権の悪行を調べる外国人ジャーナリストや、アウンサンスーチーさん支援をする外国人を空港で徹底的に調べ上げていたのだ。

数年前、軍事政権は終わり市民は「アウンサンスーチー」という言葉を発する事も可能になり、空港職員も常に目を光らす必要もなくなった。とはいえ、元々は軍事政権の下で働いていた彼ら。
今回はそんな彼らの本音を知る事ができたストーリーを紹介する。

 

NLD本部でアウンサンスーチーさんTシャツを購入

以前ブログでも紹介したが、ヤンゴンの中心部にアウンサンスーチーさんの所属する政党、「NLD本部」。ここでは政治資金を稼ぐため、様々なアウンサンスーチーさんグッズを購入する事ができる。なかでも外国人に一番人気のがTシャツ。私もTシャツを購入し、ミャンマーで普通に着ながら過ごしていた。
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空港にて

「さすがに出国する前に着るのはやめておこうかな。元々は軍事政権の下で働いていた人たちだし。変な思いをさせたくないしね。」そんな事を出国前に話していたのを覚えている。
と言っていたのに関わらず、当日何も考えずに着て行ってしまった。そして、それに気がついたのが出国スタンプの列に並んでる際。
「やべ〜、もう前に2人しかいないし、スペアのシャツもない、今から裏返しにするのも変だしな。」と、あれこれ考えているうちに自分の番がきてしまった。

 

まさかのグータッチ

審査官「ミャンマーはどれくらい滞在したの?どこ行ったの?」
とありきたりの質問をしてくる。そして私のTシャツを目にし、
「彼女の事知ってるの?どう思う?」と質問してきた。
ここで、「知らない、Tシャツはタイで買ったもの。」と嘘をつこうか迷ったが、変な嘘をついても仕方ない。思いきって本当の事を話した方がいいだろうと判断した。

「知ってるアウンサンスーチーさんだろ。世界中の人が彼女の事を支援しているよ。どう思うって?大好きだよ!心から尊敬してるよ!」

それを聞いた審査官。素敵な笑顔で、「実は俺も大好きなんだよ」とグータッチを求めてきた!
「数年前、もしも君がそのシャツを着て空港に着たら、私は君を逮捕していただろう。でも時代が変わった。その時は言えなかったんだけど、僕もアウンサンスーチーさんが大好きなんだ」と、まさかの2人でグータッチ!

空港の室入国審査官とグータッチをするなんて、世界中どの空港でもした事なかったのでビックリした。数分の会話だったので詳しくは聞けなかったのだが、きっと彼らの仕事は政権が変わり大きく変わったのだろう。そんな異国での出来事が今だに忘れられない今日この頃です。

 


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